うる星やつら Wiki

うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ』(うるせいやつら3 -)は、高橋留美子原作の漫画及びテレビアニメシリーズの『うる星やつら』の劇場版オリジナル長編アニメーションである。1985年1月26日公開。サブタイトルの「リメンバー・マイ・ラブ」は、公開当時、「リメンバー・マイ・ラ」の表記であった。

概要[]

同作のテレビシリーズのチーフディレクターを押井守からバトンタッチした、やまざきかずおによる『うる星やつら』の劇場アニメ初監督作品。この作品は『うる星やつら オンリー・ユー』が「あたるを追うラム」だったことから逆に「ラムを追うあたる」をコンセプトに作られた。

作中に登場するタヌキのキャラクター「O島」(原作やテレビシリーズにも登場)由来は、高橋留美子の担当編集者「大島氏」である。また主題歌は、オープニング、エンディングテーマ共に英詞、オープニングテーマはハードロック調の曲で(作曲はゴダイゴのタケカワユキヒデ、ミッキー吉野)、当時としては先駆的な試みであった。

あらすじ[]

学校の図書室で、ラムしのぶから「結ばれる男女は赤い糸で結ばれている」という言い伝えを小耳にする。「うちもダーリンと結ばれてるっちゃ」とはしゃぐラム。学校の帰り道、新設の遊園地「友引メルヘンランド」が出来た事を知ったラムは早速あたるとデートへ向かう。遊園地には、妖怪や宇宙人とおぼしき者でごった返していた。メガネらラム親衛隊藤波竜之介のそっくりさんまで現れた。一方、サクラや錯乱坊は、遊園地に漂う妖気に気が付いていた。

その遊園地のイベントで、あたるは手品師によってピンクのカバにされ、手品師と助手の女は姿を消してしまい、元の姿に戻れなくなる。サクラは、あたるに呪いがかけられているといった。その夜、犯人の手品師を発見したラムは、手品師を遊園地の鏡迷路へと追い詰めるが、亜空間に幽閉されてしまった。そこで手品師の正体である謎の少年「ルウ」と出会う。ルウは、あるゴミ捨て場で拾った不思議な光を放つガラス玉を拾い、超能力を得て時空を超え、幼年時代のラムに出会い惹かれていた。そしてラムに一緒に暮らすことを強要して来る。

一方現実の世界では、コタツネコが、ラムが遊園地へ男を追いかけて行ったのを見たという情報が入る。しかし遊園地を探るが手掛かりはなし、さらに遊園地にいた妖怪や宇宙人達はいなくなり、サクラいわく、妖気はあたるだけになっていた。 そして、弁天やラン達がラムの失踪とあたるがカバにされた理由を突き止める。それは過去に手違いのせいでラムの誕生会に出席出来なかった「樫の木森のオババ」が、『銀河系よろず呪い事引き受け組合』を利用し、逆恨みでラムに呪いをかけていたのだった。そしてその呪いは、事情を知ったオババがすぐキャンセルしたのだという。弁天達はその組合へ乗り込み、職員に事情を問いただした。呪いは手違いでキャンセルされず長年放置され、見事なまでに昇華していたのだった。

その後ラムのいない友引町に、微妙な変化が起こり始めていた。ラムのいない地球に用はないと、ランや弁天達は各々の故郷へ帰ってしまい、しのぶは怪力が出せなくなり、メガネは旅に出て、ラムの思い出を消し去ろうとした。やがて元の姿に戻ったあたるは、ラムがいない事につけ込み、喜々としてガールハントを続ける。そんなどこか虚無的な生活の中、ある日あたるはコーラの缶で手を切ってしまう。その手にはまるで「赤い糸」の様に引く血があった。あたるは忘れていたラムとのやり取りの日々を思い出し、ラムの存在の大切さに気付く。そこに突然現れたラーラという女と共に、消えたラムを探すために奮起。ラムが幽閉された「メルヘンランド」に向かい亜空間へと突入する。

亜空間に突入したあたるはラムと対面することができたが、呪いの力で姿形を変えラムと引き離されてしまう。しかし、ラムはどんな姿になろうとも必死にあたるを見つけようとする。ラムはあたるとの赤い糸を見つけ、糸をたどりその先にあたるを見つける。しかし、あたるの指には何本もの赤い糸がついているのだった。(しかし、あたるの左手の小指についている赤い糸は1本だけである)。ラムがあたるに(情けなさから)電撃を食らわせ、呪いは消滅した。同時に「ルウ」や「ラーラ」との記憶も消失する。

登場人物・声の出演[]

※ゲストキャラクター以外の登場人物については、個別項目およびうる星やつらの登場人物を参照。

ゲストキャラクター[]

ルウ
声:岩田光央 、鈴木一輝 
自らはピエロやマジシャンに扮し、あたるをカバに変えた張本人。実態の姿は10歳くらいの少年。ラムをあたるから引き離し、ラムと一緒に暮らそうと目論んでいた。彼は念のこもったガラス玉のおかげで特殊な能力を身につけ、過去にも行った。そこで幼少時のラムにであい、彼女の一点の穢れもない太陽のような笑顔を見て、諸星あたると出会ってからのラムは以前のように笑わなくなったと判断した。そのことをラムに話したが「お前はマザコンの上にロリコンけ!」と大して相手にされなかった。両親は仕事で長いこと帰っておらず、家庭教師のラーラとO島の三人で暮らしている。最後にルウはラムの遠い子孫にあたることが発覚し、母親はラムに似ているらしい。ルウが特殊な能力を身につけたり、ラムをあたるから引き離そうとしたのは全て樫の木森のオババの恨みのこもったガラス玉に無意識に操られていたためである。ラムとあたるを元の世界に帰し、二人から一連の記憶も消してラーラ、O島と共に元の世界に帰って行った。
なお『ラム・ザ・フォーエバー』のエンディングにも、一瞬だけ写真の状態で登場。
ラーラ
声:島本須美
ルウの家庭教師。ふとしたことがきっかけであたるが、いなくなったラムのことを思い出したので二人でラム救出に向かった。「大変よくできました」「10点減点」といったハンコを持ち歩いている。本作が劇場公開されていた時期、テレビアニメであたるが読んでいた雑誌の表紙やポスター、または背景でルウと共に登場している。
樫の木森のオババ
声:京田尚子
ラムの生誕祭に自分だけ呼ばれなかったため腹いせに、ラムが年頃になったころ、愛する男と必ず引き裂かれるように特別なガラス玉に恨みを込め、「銀河系よろず呪い引き受け組合」に郵送した。しかし実際には生誕祭の招待状は郵送中のアクシデントによりオババのもとへ届かなかっただけで、本当は招待されていることが分かる。誤解だったことを知ったオババは組合にキャンセルの意図を伝えた。しかし、肝心のガラス玉が郵送途中のターミナルで紛失されており、呪いそのものは行方不明扱いとなり放置されていた。その一切については組合からの連絡もなく、オババは関知していない。故に、既に発生・成長を続けていた呪いが一連の事件の発端を作ったのである。

スタッフ[]

  • 原作:高橋留美子
  • 監督:やまざきかずお
  • 脚本:金春智子[1]
  • 総作画監督:もりやまゆうじ
  • 作画監督:土器手司
  • オープニング・エンディングアニメーション:西島克彦
  • 原画:庵野秀明、他
  • 美術:小林七郎、新井寅雄
  • 音楽:ミッキー吉野
  • 音楽監督:早川裕
  • 撮影:若菜章夫
  • 録音:斯波重治
  • 編集:森田清次
  • アニメーションプロデューサー:長谷川洋
  • アニメーション制作協力:スタジオディーン
  • 製作:キティ・フィルム
  • 配給:東宝

主題歌[]

  • オープニングテーマ:「Born To Be Free」
  • エンディングテーマ:「Remember My Love」
    • 作詞:Ralph McCarthy/作曲:タケカワユキヒデ/編曲:土方隆行/歌:ステファニー
    • PCエンジンCD-ROM²用ゲームソフト『うる星やつら STAY WITH YOU』のBGMとして使用されている。

映像ソフト化 []

本編のDVDは、『犬夜叉 時代を越える想い』の公開を記念し、2001年12月19日発売。

映像余談[]

  • ラムがルウを追いかけるシーンで「とどがつまった」という看板が出てくる。これは『アニメージュ』誌で連載されていた、押井守ともりやまゆうじの漫画原作作品『とどのつまり…』のパロディ。
  • メガネが持っているラムの写真コレクションの山の中に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の「友引前史」が紛れている。

脚注[]

  1. 準備稿が、『少年サンデーグラフィックうる星やつら13.リメンバー・マイ・ラブ』(小学館、1985年)にある。

外部リンク[]

航法[]